ハンバーグの記事で、私はひとつの成功体験を得た。
ハンバーグを作るとき、
「そもそも、ボウルいる?」
と思って、材料を最初からフライパンに入れて混ぜ、そのまま焼いたのだ。
名づけて、「こねーず」。
これが意外とうまくいった。
ボウルは洗わなくていい。
手もそんなに汚れない。
ちゃんと食べられる。
一石三鳥。
ボウルを洗いたくなさすぎて、ハンバーグをフライパンでこね始めた
そして今日。
おかひじきチヂミを作ろうとしていた私は、また思った。
「これも、直接いけるのでは?」
いつもなら、おかひじきと粉をボウルで混ぜてから焼く。
でも、それではボウルが汚れる。
一度「ボウルを使わなくてもなんとかなる」という世界を知ってしまったニンゲンは、簡単には元の世界へ戻れない。
私はおかひじきを、そのままフライパンに入れた。
そして粉を投入。
ここで気づいた。
……粉、足りなくない?
もう遅い。
おかひじきは、すでにフライパンの上にいる。
いまさらボウルに戻す気にもならない。
なんとか粉を行き渡らせようとした。
焼いた。
そして完成したのが、こちらである。

……。
粉があるところだけ、かろうじてチヂミ。
それ以外は、ほぼおかひじき。
フライパンの上で、
「チヂミになれた者」と
「なれなかった者」が共存している。
一部には、ちょこっとだけチヂミっぽい練り物も誕生した。
おかひじき焼きなのか。
チヂミ未遂なのか。
あるいは、
「ボウルを洗いたくなかったニンゲンの末路」なのか。
料理名は、まだない。
でも食べてみたら、ちゃんとおいしい。
なら、まあいいか。
……たぶん。
ハンバーグで一度成功しただけなのに、
「だいたいの料理、最初からフライパンでやればいいのでは?」
と思ってしまったのが、すべての始まりだった。
成功体験というものは恐ろしい。
人は一度うまくいくと、すぐに応用したくなる。
そして、ときどき粉が足りない。
最近、こんな小さな失敗を拾っては、豆腐の「豆子」に背負わせている。
昔の失敗も、今日の失敗も、あとから眺めると案外おもしろい。
➤[豆子新作4コマ]「そう思ってるなら、すればいいじゃん」で友人を怒らせた話|豆子の一敗
一方で、仕事では「人に何かを届けること」について、もう少しまじめに考えている。
➤営業トップになって、私は「余白」から仕事を考えるようになった。
料理も仕事も、とりあえずやってみる。
うまくいけば、またやる。
調子に乗る。
失敗する。
そして、また考える。
今日は、粉が足りなかった。